
『意識の探求』 メモ
2023-09-252p 意識的な精神の働きとその物質的基盤、すなわち、脳内での電気化学的な相互作用との間には、どのような関係が成り立っているのだるか。それが精神-脳問題の最も根本的で中心となる問題である。
クオリアとは普段我々が「意識」という語で指す事柄の中でも最も原初的な「感じ」、質感である。
4p こういった「感じ」は抽象的なものではないし、個人個人が勝手に決めたシンボルでもなく、人類にある程度は共通のものである。このような感覚は、生物にとって何か意味のあるものを表している。
現代の哲学者たちは、ある事柄を表彰する能力や、自分の外の世界にある何かに「向かう」意識の能力、すなわち、志向性と哲学者が呼ぶ精神の能力について議論している。主観的な意識は、常に何か外界に存在するものについての意識である、ということを指して「志向性」という。
5p:メモ 志向性により外界に存在するものに対し意味を持つことが可能になる。それは、ニューラルネットワークの構造や、それらの接続方法に秘密が隠されている。
5p ハイチに伝わる伝説に、死者の蘇り、ゾンビが登場する。ゾンビは呪術師の魔力によって、操る者の意のままに動くという。哲学の世界では、「ゾンビ」というのは架空の存在として思考実験に用いられている。外見上の立ち振る舞いはまったく普通の人間と変わらないが、意識、感覚および感情が完全に欠けたもの、それが哲学用語としての「ゾンビ」である。 ★ゾンビの起源知らなかった
6p 脳の電気化学的な活動のほとんどは意識にのぼらない。この事実を認めると、単に意識がなぜ脳から生まれてくるかという漠然とした問題が一歩踏み込んだものとなり、なぜある特定の電気化学的な活動だけが意識を生み出し、他の活動は無意識に処理されてしまうのか、という具体的な疑問も湧いていくる
9p 我々が自分の体験している世界を直接他人に伝える事ができないという事実は、我々の意識がどのように脳から生まれてくるかを研究するうえで、最も根本的なものとして重要視せねばならいない。 ★トマトの色にどのような赤を感じたかを伝えるためには、これまでの赤の経験、首から迸る動脈の赤など間接的に説明することになる。